高齢者が入院時にぶつかる問題
高齢者の入院には、医療費や受け入れ先、退院後の生活など、乗り越えなければいけない壁が多々あります。その中でも意外と知られていない壁が、入院の180日ルールです。180日ルールとは、同じ病気で180日以上入院した場合入院給付金が受け取れず、180日以降の医療費が自己負担になる制度のことです。またこの180ルールとは別に、入院費の180日ルールというものも存在します。こちらの180日ルールは、180日目以降の入院費に、入院基本料の15%が加算される、という内容です。
国が全国的に定めているルールなので、守らなければペナルティを受けてしまい、病院側の判断で免除することはできません。また、180日以上患者を入院させておくことは病院側にもデメリットが多いので、転院や施設への入所をすすめられることがほとんどです。つまり「入院のタイムリミットは3ヶ月」ということになります。
3ヶ月以内に自宅で今まで通りの生活ができるまでに回復しなかった場合、患者やその家族は対策を立てなければいけません。患者の体がまだ十分に動かなかったり、認知症による異常行動が頻繁に起こっていたりすることもあります。患者が不自由な体でも生活できるように自宅の環境を整える必要も出てくるでしょうし、自宅での生活が困難なら受け入れてくれる施設も探さなければいけないでしょう。
入院できたから一安心、というわけにはいきません。できるだけ早いタイミングで退院後の対応について話し合っておきましょう。退院後のケアや利用できる介護サービスなどについては、こちらの《考えておくべき退院後【介護の入り口】》がわかりやすいかもしれません。
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